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?圧密沈下に対しては、地盤改良工法として床堀置換工法を採用し、また、圧密沈下を早期に安定させるため、沈下を促進させる暫定上部工の打設を行った。

 

3. 景観設計

3−1. 検討項目

景観設計を実施するにあたり、検討項目を以下の5項目に設定し、各々の段階で以下に示す検討を行った。

?防波堤周辺の上地利用等の把握

?親水性防波堤の機能及び利用上の性格付け

?計画テーマの設定

?表現メニューの選定

?要素デザイン

3−2. 防波堤周辺の土地利用等の把握

景観設計を行う場合、当該施設の土地利用状況や自然景観について把握しておく必要がある。本防波堤について具体的には、防波堤背後のマリーナ、隣接する防波護岸とその背後緑地、さらにマリーナシティ全体と和歌浦湾周辺の自然環境などの把握に努めた。また、マリーナシティの定住者や利用者、さらには和歌浦湾への来訪者等への配慮も必要とされた。

3−3. 親水性防波堤の機能及び利用上の性格付け斑に親水佐機能として考えられるのは、?水にさわる、?水に近づく、そして?海を見る、の3点であるが、これらに対しては次のように対応した。

?水にさわる→マリーナシティ内のクリークで対応できるため、防波堤機能としては特別の配慮を行わない。

?水に近づく→港内側ケーソンの上部を切り欠くなど、構造面で対応しており、景観設計時においては特別の配慮を行わない。

?海を見る→当該防波堤からは、マリーナのみならず、港外側遠方に淡路島や夕日などのすばらしい風景が鑑賞できる。このため、2〜3時間の快適な時が過ごせるような場所を提供できるように上部工を座りよい階段形状とした。

3−4. 計画テーマの設定

当親水性防波堤の景観設計にあたって、計画テーマをメインテーマとデザインテーマに分けて以下のように設定した。

(1)メインテーマ

以下に示す観点からメインテーマを設定した。

?全体面:海に突出した散歩道としての防波堤、「海への遊歩道」

?景観面:海への視界の遮蔽物ではなく、柔らかく違和感のない防波堤。海からのアクセスに対するシンボルゲート

?利用面:海に囲まれた道を散策するという非日常的体験の創出

(2)デザインテーマの設定

当防波堤に求められた機能及び上記のメインテーマをもとに、デザインテーマを遠景、中景、近景に分けて、Table−3.のように設定した。

 

Tab1e−3.Design Theme

  防波堤・防波護岸のデザインの考え方
遠景 中景 近景
基本的な考え方 ・防波堤を海からの眺望の傷害物でなく、鳥と海を結びきれいな帯と考える。 ・防波堤の重厚なイメージを極力解消するデザインとする。

・防波堤、マリーナ、フィッシャーマンズワーフからの景観を考慮する。

・楽しみながら、散歩できる場とするためヒューマンスケールでデザインを施す。
同対応 ・南、北堤頭部に灯台、防波護岸背後地のサンセットパークに展望台を設けアクセントとする。

・灯台、照明により魅力的な夜景を演出する。

・階段部を軽快で見とおしを良くする、張出の部の立面を直線的にし軽快なイメージを出す。

・水抜きの穴をデザインし、単調さを解消する。

・港内側デッキに植栽を施し潤いのある雰囲気をだす。

・波返し手すり、照明、ベンチなども実用性を十分に考慮した上で楽しいデザインを施す。

・耐候性から見た材質選びをする。(コンクリートの素地を生かす)

・舗装に石等を用いる場合にも、落ち着いた色とする。(白、グレー主体)

 

3−5. 表現メニューの選定

当防波堤の意匠の表現メニューは、設定されたデザインテーマを基に、以下のものを対象とした。

?防波堤基本形態(上部工平面曲線、上部工縦断線形、パラペット、サインカーブ状のバルコニー部・プラザ部及び壁面、港外側のスペイン階段、港内側の階段及びスロープ、堤頭部など)

?色彩(舗装材、タイル、転落防止棚・手摺り等)

?素材(舗装材、タイル、転落防止棚・手摺り等)

?ストリートファニチャー(ごみ箱、ベンチ、水飲み場、植栽、証明施設など)

?その他(救命具、梯子等)

これらの表現メニューの導入場所をFig−3.に示す。

 

089-2.gif

Fig−3. Spatial Assignment of The Functions

 

3−6. 要素デザイン

 

 

 

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